安太郎ポイントで離岸流が怖かった話
千葉北の飯岡安太郎ポイント
ビーチが南東に面しており、
冬の千葉に多い北東風をかわせる貴重なポイント
10月にも一度行ったことがあり、
広い駐車場と、トイレ・シャワーが完備され、
遠浅でロングボードも多く穏やかな印象だった
波が割れるポイントは2箇所ほどであったが
待てば乗れるくらいの混雑具合で
初心者にもいいポイントだと思う
その日、12月28日、北千葉全体は北東風が強く、荒れ模様だった
安太郎よりも南にあり、うねりを拾いやすい吉崎浜では腹・胸くらいのグチャ
サーファーは1-2人くらいたけど、アウトに出るのもきつそうで
もう少し穏やかなところがいいと北上し、安太郎に向かった
ポイントに着くと、20台くらい車があり、人も多かった
吉崎浜から車で10分だが、サイズは腹・胸
面も落ち着いている
いざ入水
ドルフィンしながらアウトに出て、セットで戻されて、またアウトへ・・・
気づくと随分右側へ流されていた
周りの人もずっとパドルして左に戻ろうとしている
もちろん、負けじとずっとパドルするのだけど
なにぶん、もう1時間近く入ってて、ずっとパドルし続けるのも疲れてしまった
だんだんと日が暮れて、気づくとさっきまで隣にいた人とはかなり距離がある
あれ?結構な勢いで流されてない?
あれ?だんだん薄暗くなってない?
・・・周りに全然人いないんだけど、そろそろ戻ろうかな
と思って、パドルするも進まない
ずっと右へ流されている
ふと、沿岸を見ると、テトラポッドの頭が二つ見え隠れしている
波と一緒に、あれにぶつかったらやばい
そう思って、パドル
さらにバタ足をしても、全然進まない…
焦りで呼吸もはぁはぁして来た
よし、こうなったら一度流されて、
テトラをやり過ごしてから沿岸に戻ろうと思い
力を抜いて流れに身を任せた
そうしたらテトラとテトラの間で、沖に向かう離岸流が発生してて、
今度はまさかの沖へ流され始めた
やばい…
辺りは薄暗いし、誰もいない
隣のサーファーまではもう100m以上離れてて
絶対に気づかれることはないだろう
今日、サーフィンに行くことは誰にも知らせてないから、
一晩連絡取れなくても、誰も助けに来ないだろう
年末の北千葉で一晩漂流は死ぬ
そこまで考えて、でも望みは捨てずに沿岸の波が入るのを
沖を見つつ、パドルしつつ、待っていたところでやっと2-3波が入り、
運よくテトラの間をちょうどボディボードでビーチまでたどり着くことができた
離岸流に流されて死を感じた驚きと
陸に戻れた偶然を感謝しつつ
エントリーポイントに歩いて戻ったが400m以上流されていたことに気がついた
あとで調べたところ、安太郎ポイントは波が高くなると、
強烈な右カレントが発生するらしい
これまで一人で海に入ることもあったけど、
武勇伝でもなんでもない、
ただの無知で危ないだけだったんだなと
この記事を偶然見たサーファーの方は、安太郎でも他ポイントでも
ぜひ気をつけていただきたい
生きて帰ってこれてよかった